服飾学生時代に出逢いたかった、神縫製のオーダースーツ
このスーツ、最初に惹かれたのはデザインよりも縫製の美しさでした。
古着を見ていると、ついつい裏側や縫い目まで追いかけてしまうのですが、これは見れば見るほど面白い。
今ではなかなか出逢えないほど丁寧に仕立てられた、オーダーメイドのヴィンテージスーツです。
服飾学生だった頃に出逢っていたら、きっとひっくり返して縫い代を眺め、先生に質問して、授業そっちのけで研究していたかも……。
特に目を奪われたのが、細かな「星止め」。
表からはほとんど目立たない小さな手仕事ですが、こうした見えないところへのひと手間が、服の形を美しく保ち、仕立ての良さにつながっています。
そして驚いたのが手縫いで仕上げられたボタンホール。
今では機械で仕上げることの多い部分まで、ひと針ひと針、人の手が入っています。
一体、この一着を仕立てるのに何時間かかったのでしょう。
ブランドネームや品質表示のタグも見当たりません。
名前を主張するブランド服ではなく、**誰かひとりのためにつくられたオーダー服**だったことを想像させます。
大量生産の服を見慣れた今だからこそ、
「ここまでやるのか」と思わせてくれる仕事の細かさに、改めて惚れ惚れします。
そして生地は、独特の節とほのかな光沢を持つシャンタン生地。
光の当たり方によって表情が変わり、華やかさがありながら、つるりと均一ではない。
この少し不規則な生地の表情が、端正な仕立てにとてもよく似合っています。
オーダー服ならではの丁寧な縫製。
星止めの細かな手仕事。
手縫いのボタンホール。
そして、シャンタンの美しい表情。
ファッションとして着るのはもちろんですが、これは服をつくった人の仕事そのものを鑑賞したくなる一着です。
美術館で工芸品を見ていると、完成した姿の美しさだけでなく、
「これをつくった人は、ここにどれだけの時間を費やしたんだろう」
と考えることがあります。
このスーツにも、それと少し似たものを感じます。
服飾学生時代に出逢いたかった。
そして今だからこそ、この仕立ての凄さが分かる。
古いから価値があるのではなく、
**時間が経った今見ても、美しい仕事が残っているから価値がある。**
そんなふうに紹介したいヴィンテージスーツです。
サイズ
① ブラウス
バスト:約100cm
肩幅:約39cm
着丈:約52cm
袖丈:約30cm
② スカート
ウエスト:約70〜72cm(調整可)
ヒップ:約104cm
着丈:約68cm
ヴィンテージのオーダー服というと「サイズが小さそう」と思われるかもしれませんが、こちらは比較的ゆとりのあるサイズ感。
ブラウスはバスト約100cm、スカートもヒップ約104cmあり、身体のラインを拾いすぎず、幅広い方に楽しんでいただきやすい一着です。もしスカート丈がきになる場合もベルトを内側に折り込めば短く着ていただけますよ。
状態について
ヴィンテージ品のため、ネック裏に茶色の汚れがございます。
一方で、それ以外は使用感が非常に少なく、年代を考えると驚くほどきれいなコンディションです。
状態についてご了承のうえ、ご検討ください。
汚れが一点あることを差し引いても、着てしまえば目立たないので
今ではなかなか出逢えない仕立ての美しさを、ぜひ実物で見て、触れて、着ていただきたい一着です。